ワンルームマンション投資で、ローン審査が通りやすい物件と通りにくい物件の違いは?

意外にも「コンクリ打ちっぱなし」は低評価

ワンルームマンション投資でローンを組んで始めるには、金融機関のローン審査を通過する必要があります。審査では、個人の属性とあわせ、物件そのものも評価対象になります。そこで今回は、ローン審査でどんな物件が評価されやすく、逆にどんな物件が評価されにくいのかをご紹介しましょう。

ワンルームマンションで重要な審査対象となるのが、賃料がどれくらい取れるかや、賃貸需要がどれくらいあるかといった「賃貸物件としての収益性」です。なぜならワンルームマンションは、戸建てや一棟もののマンション・アパートと違い、土地の価値がほとんど評価されないからです。

細かく仕切られたワンルームマンションの場合、一軒家のように取り壊して土地だけを売ることがほぼできません。だからこそ金融機関は土地ではなく、収益性の部分を評価の大きなファクターにせざるを得ないのです。

では、その収益性は何によって判断されるのでしょう? そこにはさまざまな要因があり、時代によって多少トレンドもありますが、一つわかりやすいものに「外壁」があります。

外壁というと、たとえばデザイナーズマンションによく見られるコンクリート打ちっぱなしのスタイルは、おしゃれな物件が好きな人に需要が高いですが、意外なことにローン審査においてはマイナス評価となりがちです。なぜかというと、ひび割れや黒ずみなどの劣化が目立ちやすく、経年によって外観のイメージが損なわれやすいからです。

同じく吹き付けタイプの外壁(古めのマンションによく見られる、細かな凹凸が無数に散りばめられた外壁)もひび割れが目立ちやすく、ローン審査では低評価となりやすいでしょう。

こうした外壁は、劣化が目立てば賃貸需要に影響が出るし、かといって外観を保つために改修をまめに行うには当然、改修費用がかかります。となると将来的には、オーナーが毎月負担する修繕積立金も引き上げられやすい。そんな要因をひっくるめて金融機関から低く評価されやすいというわです。

反対に審査でいい評価をされやすいのが、見た目に高級感があり、機能面やメンテナンス面でも優れる「タイル張り」の外壁です。かのライオンズマンションシリーズの外壁も、もともとは赤褐色のレンガ調が主流でしたが、近年は薄いベージュ系のタイル張りが多くなってきています。

「廊下」や「室外機」の仕様も審査対象に

またマンションに備わる「廊下」の仕様によっても、金融機関の評価は変わります。評価が高いのは、廊下が建物内に付いている「内廊下」のタイプ。わかりやすくいうと、ビジネスホテルの各部屋の前を通る廊下が、いわゆる内廊下です。

内廊下は設計に制約がかかるため建設費用はかさみますが、外気にさらされていないため劣化しにくく、入居者には好まれやすいです。そのため高級賃貸マンションでは、内廊下をよく採用しています。

対して、建物の外面に取り付けられているのが「外廊下」(開放廊下)です。外気に触れ、雨風にさらされるため、内廊下よりも金融機関の評価は低くなりやすいです。

ちょっと意外かもしれませんが、エアコンの室外機の設置方法も、審査の対象となり得ます。たとえば室外機がベランダの壁の上部に取り付けられた物件が関西を中心に見られますが、地面に置かれたスタイルに比べ、評価は低くなりがちです。なぜかというと、排出される水などによって壁が汚れやすく、またベランダは各部屋が専有する部分なので、改修にかなり手間がかかるためです。

またバスルームの仕様も、一つの大きな審査対象となるでしょう。少し前の物件だと、バス・トイレ・洗面台がバスルームにまとめられた「3点ユニット」や、バス・洗面台がバスルームにまとめられた「2点ユニット」が見られます。ローン審査においては3点ユニットよりも2点ユニットが、2点ユニットよりも完全独立タイプが、高グレードと見なされます。特に完全独立タイプか否かで、金融機関の評価はずいぶん変わるでしょう。

エントランスが「オートロック式」かどうかや、「宅配ボックス」がついているかどうかも、評価の対象となります。当然、オートロックや宅配ボックスがある方が、評価は高くなりやすいです。

また当然ながら、物件がどのエリアにあるかや、駅から徒歩何分かといった「立地」も、評価の重要な要因となります。

投資用ワンルームマンションなら、違いはない!?

とはいえ、ここまで述べておいて身も蓋もありませんが、新築の投資用ワンルームマンションであれば、物件による審査の通りやすさ・通りにくさというのはほぼないでしょう。いったいなぜでしょうか?

基本的に投資用マンションのデベロッパー(開発業者)は、開発前に提携する金融機関に「こんな立地、仕様のマンションをいくらで売り出したいので、完成した際には購入者に融資付けをしてください」といった企画を提出し、承諾を取り付けてから実際にマンション開発を行います。

要は銀行の評価をきちんと受けた上で、マンションを建てているのです。なぜかというと、それを行ってからではないと、目論見通りには融資付けがされないかもしれず、そうなると建てたマンションが売れ残ってしまうからです。建てた後に金融機関から「この企画では融資できません」と言われては、“後の祭り”となってしまう。だからこそ、事前に大枠の承諾を取り付けてから建てるのです。

したがって、それなりに実績のある不動産投資会社が販売する新築の投資用ワンルームマンションであれば、基本的には現状の販売価格でローンが通るようになっています。つまりローンが通るか通らないかは、純粋に購入者の個人属性次第となるわけです。

このようにワンルームマンション投資は投資商品としてのパッケージが確立されており、購入者自身がローンの申込みに奔走したり、入居付けを行ったりする手間がかからないところが大きな強みです。対して一棟ものマンションやアパート、はたまた中古物件の不動産投資の場合、それより大きな手間がかかりやすい分、一般的に利回りはワンルームマンション投資のそれを上回ります。

したがって今回の「ローン審査では、物件のどこを見られるか」という話は、どちらかというと一棟ものマンションや中古マンションの不動産投資にあてはまる内容です。もしそちらの不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

一方、新築のワンルームマンション投資を検討している方は、物件よりも自分の個人属性の方が大きな審査対象となってくるので、自身の属性が審査に通りそうかどうかをあらためてチェックしてみましょう。

「自分がローンを組める人かどうか」をチェックする方法については、こちらの記事で書いています。自分が不動産投資ローンを組める人かどうか」をチェックする方法は?

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