自宅購入の基礎知識01

“理想の住まい”をプランニング

多くの方にとって「人生で一番大きな買い物」となる自宅の購入。それを“最高の買い物”にするために、しっかり準備をしたいところです。そこで、自宅購入の大まかな流れと、最低限知っておきたい基礎知識をまとめました。

どんな家に住みたいのか、そもそも自分にとって「理想の住まい」とはどんなものか。それをしっかりつかむための方法を、ご紹介します。

 

1.「理想の住まい」を考える

家を購入するうえでまず行う必要があるのが、エリアや広さ、予算といった条件を決めることです。これが決まっていないと、インターネットで探そうにも、不動産会社に相談しようにも、なかなか前に進みません。

とはいえ、いきなりすべての条件を出すのは、簡単ではありません。ひとつに決めきれない項目や、何がいいのかイメージがわかない項目も出てくるでしょう。

「理想の住まいのカタチ」を書き出す

そこでぜひやっておきたいのが、「理想の住まいのカタチ」を、思いつくかぎり挙げることです。たとえば

  • 人を日常的に呼べるような広さとおしゃれさがある家。
  • 周りに自然があり、子供にも自然に親しんでもらえる。
  • 庭かルーフバルコニーがあり、休日はそこでバーベキューや外飲みをする。
  • モノはできるだけ収納にしまい、家をすっきりした状態に保つ。
  • ペットを複数飼いたい。

等々です。明らかに実現不可能なこと以外で、思いつくままにざっと書き出してみましょう。そして、それを「絶対にゆずれないもの」と「実現したらいいなと思うもの」に分け、優先順位をつけます。

家族と話し合う

もし家族の思う理想のカタチと食い違うようなら、それについて話し合ってみましょう。話し合うことで溝は縮まりやすいですし、「ここはゆずるので、こちらはゆずってもらえる?」といった交渉もできます。また話し合いにより、互いの理想の住まいが、よりくっきり見えてきます。

リストを持ち歩く

挙がったリストは、いつでも見られるようにしておきましょう。物件をネットで検索する際や、不動産会社に相談する際に重宝します。携帯のメモアプリなどに入れておくと便利です。

こうして理想の暮らしがイメージできたら、具体的な条件を決めていきます。理想の暮らしがイメージできていると、条件をグッと絞り込みやすくなります。以下、各条件について、かんたんにポイントを紹介していきましょう。

 

2.住む場所

仕事場や学校、実家との距離、暮らしやすさ(買い物のしやすさ、公園など公共施設の多さ、自治体の施策や治安のよしあしetc)、エリアのイメージ、などのかねあいで決めていきます。

あわせて駅からの距離はどれくらいがいいか(またはどのくらいの距離までならOKか)も決めましょう。

*担当者のとっておき情報*

もし家の将来的な資産価値を重視するなら、「駅近」の物件がおすすめです。家は年月が経てば経つほど老朽化するので、資産価値が下がるのが普通。対して駅から徒歩5分圏内くらいの駅近物件であれば、将来の資産価値が大きくは下がりにくいです。駅周辺で大規模な再開発が進んだりして、土地の価格が高騰するケースも少なくありません。

それだけ駅というものは、人やものが集まり、生活のハブとなる場所なのです。条件を決める際は、ぜひその点も頭に入れておきましょう。

 

3.家の広さ

家の広さは、家族構成はもちろんのこと、家でどれくらい仕事をするかや、家に置きたいモノの量なども考慮しながら決めます。

以下、家族構成に対する、延べ床面積の目安となります。

  • 2人/50㎡~
  • 3人/60~80㎡
  • 4人/70~90㎡
  • 5人/90~100㎡

 

4.「マンション」か「戸建て」か

マンションに住むか、戸建てに住むかによっても、暮らしは大きく変わります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、ざっと頭に入れておきましょう。

【マンション】

メリット デメリット
● 共用部分の管理を管理会社に任せられる ● 管理費や修繕積立金が毎月かかる
● 戸建よりセキュリティが一般的に高い ● マンション内で一定のルールがある
● 冷暖房が効きやすいので、光熱費がかかりにくい ● 戸建より音や振動を気にする必要がある
● 構造上、耐久性や耐火性に優れている ● ペットが飼えなかったり、制限があったりする
● 駅近の物件が多い  

【戸建て】

メリット デメリット
● 土地も建物も自分の資産になる ● 冷暖房が効きにくく、光熱費が高くなりやすい
● 外観を好きなようにできる ● 庭や外まわりの手入れが大変
● 管理費や修繕積立金がかからない ● 駅近の物件が少ない
● リフォームや建て替えを自由にできる ● リフォームをするのにまとまった金額が必要
● 敷地内に駐車場を設けられる  
● ペットを自由に飼える  

*担当者のとっておき情報*

「駅近」という観点でいえば、マンションの方が断然、駅近の物件が多いです。もし戸建ての駅近物件があっても、価格が高くて予算に収まらないケースも少なくないでしょう。したがって駅近を優先するのであれば、マンションが第一選択肢となりそうです。

一方、「資産価値」の面では戸建てに軍配が上がります。たとえばどちらも価格が5000万円のマンションと戸建てがあり、50年後に売ったとしましょう。マンションの方は、駅からそれなりに近ければ、3000万円くらいで売れるかもしれません。

対して戸建ては土地も一緒に買うことになり、この例では土地代が4000万円弱、建物代が1000万円強だったとします。駅から離れた場所でなければ、50年経っても土地代が大きく下がることは少ないので、売る際には少なくとも4000万円前後にはなるのではないでしょうか。場合によっては50年の間に再開発が進んで土地の値段が大きく上がり、4000万円より遥かに高く売れる可能性もあります。

マンションか戸建てかを選ぶ際は、上記のことも検討材料に入れるようにしましょう。

 

5.「新築」か「中古」か

新築物件にするか、中古物件にするかも、大きな分かれめです。当然ですが、新築は新しいかわりに価格が高く、中古は古いかわりに価格が安くなります。したがって大まかにいうと、まだ誰も入居したことのないピカピカの家に住むことに価格差以上の価値を感じられるのであれば新築、新しい家に住む以上に安さを優先する場合は中古となるでしょう。

ただ最近は、きれいにリフォームやリノベーションを行った家を、新築の価格よりも安く買うという選択肢も見られるようになっています。他にも新築か中古かを選ぶ際のポイントはいくつかあるので、以下のメリット・デメリットを参考にしていただければと思います。

【新築】

メリット デメリット
● 内外装が新しくてきれい ● 物件価格が高い
● 中古より長く住める可能性が高い ● 完成前に発売される場合、実物を見ずに契約せざるを得ない
● 耐震性や省エネ性などの住宅性能が高い ● 周りの入居者がどんな人かわからない
● 室内設備の型が新しい ● 物件が限られるので、エリアを選べない可能性がある
● 税制面で優遇されている  

【中古】

メリット デメリット
● 物件価格が安い ● 状態によっては修繕やリフォームが必要
● エリアを指定しても物件が見つけやすい ● 新築より住宅性能が低くなりやすい
● 物件の実物や、近隣の入居者を確認してから契約できる ● 室内設備の型が古い
● リフォームをして内装を新しくできる ● 住宅ローンが通りにくかったり、返済期間が短く制限されたりする場合がある
● リノベーションで自分好みの改装が可能 ● 住宅ローン控除を受けられないことがある

ちなみに新築戸建ての場合、不動産会社などが建てた住宅を土地とセットで買う「建売住宅」と、土地を買ってから好みの家を建てる「注文住宅」、そして決められた施工業者と一定期間内に請負契約を結ぶなとの制約がある「建築条件付き土地を買っての注文住宅」に分けられます。3番目の「建築条件付き~」は、どちらかという建売住宅に近いといえます。

以上、自宅購入の基礎知識として、まずは「理想の住まいのカタチ」を考え、家の条件を決めるうえでのポイントを紹介しました。

次回は、もう1つの大きな条件となる「予算」について紹介します。
自宅購入の基礎知識02_家を買うにはいくら必要か

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