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ワンルームマンション投資が儲かるなら、なぜ売り手は自分で購入しないのか

作成者: NAVIVA運営部|2020年10月29日

営業マンはやらないのではなく「できない」

巷でこんな声が聞かれることがあります。「もしワンルームマンション投資が本当に儲かるなら、なぜ売り手である営業マンが自分でやらないのか」。

この手の論法はあらゆる投資商品で言われることではありますが、確かに投資商品として優秀なのであれば、売り手自身がやればいいのでは?と思うのも事実です。実際のところ、営業マンはワンルームマンション投資をやっていないのでしょうか?

結論からいうと、不動産営業マンでワンルームマンション投資をやっている人は、かなり少ないというのが実情です。ただ、もしできるのであればワンルームマンション投資で資産形成したいと思う人も少なくありません。ではなぜ行わないのか。一番の要因は、営業マンの属性的にローンが組みづらいことにあります。

ワンルームマンション投資で物件を買う際に利用する事業用ローンを組めるのは、基本的には公務員や上場企業社員など限られた属性の人たちです(もちろん例外はいくらでもあります)。そして不動産投資会社の社員は、そうした属性に当てはまっていません。したがって、不動産投資会社の社員という時点で、事業用ローンの審査に引っかかってしまうことが少なくないのです。

その背景には、不動産営業マンに一般的な固定給+歩合制という給与体系があります。契約が取れればかなりの高収入になる反面、契約がとれないと収入は低く抑えられてしまう。金融機関が避けたいのはローン返済が滞ることなので、その時々で変動する給与体系は、ローン審査では大きなマイナスポイントとなります。

したがって不動産投資営業マンの多くは、ワンルームマンション投資をしないのではなく、“できない”というのが実情なのです。

また、契約を取ることで大きなインセンティブが得られる仕事だけに、ワンルームマンション投資でじっくりコツコツ資産を積み上げるより、本業をがんばってインセンティブをドカッと稼いだ方が手っ取り早いと考える不動産営業マンも少なくないでしょう。稼ぐ営業マンとなると、年収が1000万円を超えるケースも普通にある世界です。

会社として行うには、利回りが低すぎる

また、「ワンルームマンション投資が投資として優れているなら、会社でやればいいではないか。」とも思うかもしれません。これに関しても、実際のところワンルームマンション投資を会社として行って収益を上げている不動産投資会社は、ほとんどありません。これも結論からいうと、「会社の事業として行うようなビジネスモデルではないから」です。

ワンルームマンション投資の一般的なビジネスモデルは、2000万円くらいの物件を購入し、年間100万円ほどの家賃収入を得るといったものになります。したがって年利は4~5%となるのが一般的で、収益が出るまでに、20年近くかかることになります。途中で売ることもできますが、以降に売ればトータルの収益がプラスになるという「損益分岐点」は15年程度であることが普通なので、売るにしてもすぐ収益が出せるわけではありません。

会社が行う事業としては、そうしたビジネスモデルではさすがに悠長すぎます。物件を買う資金があるのであれば、他の事業モデルで手っ取り早く収益を出していった方が効率的でしょう。だからこそ彼らは、投資用ワンルームマンションを企画・開発し、それをどんどん販売し管理する事業に注力し、会社を回していっているのです。

一方で、たとえば●●生命ビルというような都心の大きなビルを開発し、テナントに貸し出す形で不動産投資事業を行う会社もあります。

そちらの場合、たとえばビル全体の月間テナント料が1000万円で年間1億2千万円の収入となり、ビルの開発資金の6億円を5年で回収できるといったビジネスモデルであることが一般的です。要は同じ不動産投資でも、ワンルームマンション投資とは、収益の性質も規模もまるで違うのです。そしてその手の不動産事業を行えるのは、財閥系をはじめ資産規模の巨大な一部の会社であって、一般的な不動産投資会社にはなかなか難しいのが実情です。

投資のプロでワンルーム投資をする人は多い

あくまでワンルームマンション投資は、資産がない状態から高い個人属性を担保に投資を始められ、長期間で堅実に、ほぼ手間ゼロでまとまった資産を形成できるというビジネスモデルです。

それをふまえると不動産投資でありつつも、投資と積立保険の特性を併せ持った存在といえ、フルローンを組んで長期的に運用してこそ、その旨味が最大化されます。だからこそ「貯金がほとんどない」とか「資産形成をまだ何も行っていない」という人が、30年後、40年後に向けてまとまった資産を作っていくのにうってつけなのです。

ワンルームマンション投資の営業マンは、日々こうしたビジネスモデルの営業を行う中で老後の資産運用の話などを顧客にするので、資産形成に対する意欲自体は高い人が多いです。したがって、たとえワンルームマンション投資は行えなくとも、積立型の生命保険をはじめとする資産形成商品を持っている人はかなり多かったりします。

反対に、同じ投資のプロである証券マンや保険の営業マンで、ワンルームマンション投資をしている人は少なくありません。彼らは投資のプロだけに、総じてワンルームマンション投資のビジネスモデルを理解する力が、非常に高いのです。

たとえば「ワンルームマンション投資のキャッシュフローは毎月-1万円ほどになるのが一般的。ということは年間12万円、ローンを完済する35年間で420万円ほどを払い込むことになる。そして完済後に物件を売るとしたら、まず1000万円以上では売れる。対して投資信託で同じように毎月1万円を35年間積み立てたら、相当にうまくいってもせいぜい600〜700万円程度にしかならないだろう。そう考えると、ワンルームマンション投資の方が投資効率は断然上」といった計算が、往々にしてすぐできるのです。

証券マンや保険の営業マンの間でワンルームマンション投資が選ばれている事実は、それが有益な投資モデルであることを示唆しているのではないでしょうか。

もし「ワンルームマンション投資が儲かるなら、なぜ売り手は自分で購入しないのか」という主張が耳に入り、ワンルーム投資に対して懐疑の念が起こったら、ぜひ当記事を参考にしてください。