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不動産投資ローンの変動金利がもし大きく上がったらどうなる!?

作成者: NAVIVA運営部|2021年3月09日

金利が上がると、“数字以上”の負担となる

ワンルームマンション投資で物件を買う際に組む「不動産投資ローン」の金利は、ほとんどの場合が「変動金利」です。したがって景気などによって、金利が上下する可能性があります。もし将来的に金利が大きく上がった場合、どうなるのでしょう?

たとえば2000万円の物件を金利2%・35年ローンで購入した場合、月々のローン返済額は約6万6千円となります。これがもし金利4%となった場合、月々のローン返済額は約8万8千円になります。このように金利の上昇により、月々の負担額はだいぶ増すことになるのです。ちなみにバブル期の頃、金利は8%後半まで上昇したことがあります。

ただしワンルームマンション投資の現場では、あまりに急激に返済額が増えないよう、返済金額を5年間固定する仕組みが採り入れられています。たとえ金利が上がっても、5年間は毎月の返済額は変わらず、5年経ったところでその間の不足額分も含めた返済金額が再設定されます。要は、5年の間に金利が上がれば、そのぶん次の5年間の返済額が大きくなるのです。

また、見直しの際の再設定金額についても、月々の返済額が上がっても最大で125%までとする特約が一般的になっています。要はそれまでの返済額が月々10万円であれば、次の見直しで金額が上がったとしても、12万5千円が上限になります。したがって、いきなりローン返済額が倍になるようなことは、基本的にありません。

とはいえここで気をつけたいのが、そうした“5年間固定制”や“上限125%特約”が適用されても、決して利息の支払いが軽くなるわけではないことです。返済額の上昇は制限されても、最終的には金利に見合った利息を全額支払う必要があるからです。そしてローン返済というものは、利息から優先して支払われる仕組みです。

したがってもし金利が上がった場合、5年間固定制で毎月の支払額が据え置かれるぶん、利息返済に充てられるウェイトが増し、必然的に元本返済に充てられるウェイトが下がります。つまり5年間固定制のもとでは、金利が上がれば上がるほど元本返済が滞り、そのぶん利息額が膨張することになるのです。

もし金利が5%以上にもなれば、5年間固定制のもとでは元本返済はほぼ行われず、ひたすら利息返済を行うような形になるでしょう。上限125%特約が適用される場合も、同じ原理で元本返済が後回しになってしまいます。このように金利が上がることで、不動産投資家の負担は、その数字以上に大きくなりかねないのです。

ちなみに変動金利ではなく「固定金利」でローンを組む選択肢もあるにはありますが、多くの場合、金利が10数%にものぼるため、不動産投資においては現実的な選択肢ではありません。

金利とともに、家賃収入や物件価格も上がる?

ではワンルームマンション投資家は、変動金利をどの程度のリスクと捉えるべきなのでしょう?

変動金利には、上述のようなリスクが含まれることは確かです。こうした「可能性もある」ことを、しっかり認識しておくべきでしょう。一方で、こんなふうにも考えられます。「もし金利が上がったとしても、それと連動して他の状況も変わり、決定的な痛手にはなりにくいのでは?」と。

そう考えられる要因の1つが、物価のメカニズムです。金利の上昇場面では、基本的に景気も上昇傾向にあり、物価がインフレ気味になることが普通です。したがって金利が上がった分だけ、家賃収入や物件価格も連動して上がる可能性があります。物価が上がることで、給与額や事業収入額も上がると考えるのが普通でしょう。

もしそうなれば、たとえ月々の支払額は上がったところで収入額も上がるため、額面分の負担にはなりません。物件価格が上がれば、売却することで損失を埋めたり、利益を出したりすることもできるかもしれません。

ちなみに物件価格に関しては、既にここ10数年でだいぶ高くなっているので、ここからさらに上がるようには思えないかもしれませんが、もし将来的に金利が大きく上がったら、やはりそれと合わせて物件価格もそれなりに上がると考えるのが自然でしょう。

住宅ローンと運命共同体。極端な事態にはならなそう

さらにはもう1つ、金利上昇がそれほど痛手にはならないのでは?と考える理由があります。それは、マイホームを買うための「住宅ローン」の存在です。住宅ローンの金利も、不動産投資ローンと同じく、変動金利制であることもかなりあります。つまりは不動産投資ローンと住宅ローンをあわせれば、国民の多数の人が変動金利に身を委ねていることになります。

この状況下でもし金利が大きく上がり、たとえば毎月10万円だったサラリーマンの住宅ローン返済額が最終的に毎月20万円になったら、どうなるでしょうか。支払いが滞ったり、家計が破綻したりするケースが多く出てくるでしょう。そうなるとお金を貸している金融機関にとっても回収不能で大きな痛手となり、まさにサブプライムローンではないですが、結果的に国の経済が大きく傾くことになります。

それをふまえると、ただやみくもに金利を3倍や4倍に上げるようなことを政府が行うとは、そうそう考えられません。もしそれだけ金利を大きく上げる場合は、かわりに国の経済が破綻しないよう、何かしらの手立てを講じるのではないでしょうか。

したがって金利変動は確かにリスクではありますが、そこまで決定的な危機には繋がりにくいのでは?と思えます。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と同じ理論にはなってしまいますが、これだけ多くの人が変動金利に身を任せているのだから、まとめてコケるようなことはまず起こらないだろうと考えられます。もし本当にまとめてコケることがあるとすれば、それこそ国そのものが傾く時ではないでしょうか。

もちろん、「変動金利なんていう不確かなものに身を任せたくない」という考え方もあるでしょう。そこは生き方や人生哲学の違いにもなりますし、他にも投資はいろいろありますので、無理に不動産投資を選ぶ必要もないのではないでしょうか。ぜひご自身にとって、物理的にも心理的にも無理のない形で、投資を始めていただければと思います。

*ローン金利に関してはこちらの記事もご参照ください。
「ワンルームマンション投資でローン金利2.0%はお得? 金利を抑える方法は??」