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ワンルーム投資で名義人が死亡し、団信が適用。相続人がすることは?

作成者: NAVIVA運営部|2021年6月11日

ワンルームマンション投資でローンを組む際は通常、団体信用生命保険、通称「団信」に入ることを義務付けられます。団信とは、もしローン名義人が死亡したり高度の障害を負って支払不能になったりした場合、団信がローン残債の全額を、保険金として金融機関に支払う保険です。つまりはローン名義人と、お金を貸している金融機関の双方を助ける保険制度といえます。

この制度により、ローン名義人に万が一のことが起こった場合、相続人(高度障害の場合は本人)の元には、残債なしの投資用ワンルームが残されます。たとえば東京都内で立地が平均以上のワンルームであれば、築年数が20~30年ほど経っていたとしても月7~8万円、年間80~100万円くらいの家賃収入を得られることが普通です。

では、ローン名義人が死亡してしまった場合、相続人の方でするべきことは何でしょう? 実際にそうなってしまった方に向け、あるいは万が一のことが起こった時にあたふたしないように、そのあらましを紹介します。

期限内に連絡しないと、無駄な支払いが発生するかも

まずするべきなのが、団体信用生命保険の窓口をはじめ、関係各所に連絡することです。身内に不幸が起こってしばらくは、他のことに気を回したり、何か行動を起こしたりする気にはなれないかもしれませんが、ローンに関しては放っておくと無駄に返済し続けることになってしまうので、早めに止める必要があります。

団信の窓口には、万が一のことが起こってから2ヶ月以内に申請しないと、余計なローン返済が発生してしまう恐れがあります。したがってまずはローンを組んでいる金融機関と、団信の窓口に連絡するのが先決になります。ちなみに、もし不動産投資会社の窓口の連絡先がすぐわかるのであれば、ここに最初に電話するのもいいでしょう。この先どんな流れで手続きしていけばいいかを、ひととおり案内してくれるはずです。

その後、相続する人が決まっていれば、司法書士に連絡をし、名義変更の手続きを依頼します。また賃貸管理会社や建物管理会社にも連絡し、必要な変更手続きを行います。もし不動産投資会社が賃貸管理や建物管理の一括窓口になっている場合は、それに関しては不動産投資会社に連絡するだけで、ことが済みます。

相続手続きには、相続人全員の同意と押印が必要

そもそも、マンションは誰が相続するものなのでしょうか。当然ながら、もし遺言が残されていれば、それに従うのが原則です。では、もし遺言が残されていなければ?

その場合、相続人の中で誰が物件を相続するかを、「遺産分割協議」によって決めます。相続人は配偶者および子が優先されます。子が死亡している場合は、その子(ローン名義人から見た孫)が、また子がいない場合はローン名義人の父母が、父母が死亡している場合はローン名義人の兄弟姉妹が相続人となります。

マンションの名義変更には遺言書または遺産分割協議書が必要で、遺産分割協議書には相続人全員の同意と押印が必要です。

そうしてマンションを受け継ぐ人が決まったら、司法書士に連絡し、名義変更手続きを依頼します。その際には、上記の遺産分割協議書をはじめとする各種書類のほか、司法書士への報酬と、登録免許税が必要となります。登録免許税は、相続の場合「土地の不動産評価額×0.004」と決まっているので、もし不動産評価額が1000万円なら、登録免許税は4万円となります。

司法書士の選定に関しては、もしなじみの司法書士がいなければ、不動産投資会社に紹介してもらう方法と、自分でインターネットなどを用いて探す方法の2つが主にあります。インターネット上でしっかり営業活動をしている司法書士は、サービス内容やコスト感が比較的良い傾向があるので、インターネットで探すのも決して悪い手ではありません。

団信を使っての相続には相続税も所得税もかからない

ちなみに、まとまった資産を相続する際には通常、相続税が発生します。投資用ワンルームマンションの場合、相続税はいくらくらいになるのでしょう?

実は、多くの場合「0円」なのです。

なぜかというと、「基礎控除」があるからです。相続税の基礎控除は(3000万円+法定相続人の数×600万円)なので、相続人が1人の場合は3600万円が、相続人が配偶者と子供2人などの場合は4800万円が基礎控除額となります。したがって、マンションを含めた相続資産合計がそれ以下であれば、相続税は発生しません。実際、平成30年に資産を相続した人のうち、相続税を支払ったのは8.3%だったというデータもあります。

とはいえ、ローンの返済が団信の保険金でまかなわれるということは、その保険金に所得税がかかるのでは?とも思うかもしれません。実は、所得税額に関しても「0円」となります。というのも団信の保険金の場合、団信という保険機関から、ローンを貸し出した金融機関に直接支払われ、相続人を経由しないため、所得税は課税されないのです。

ただし相続人は、ローン名義人が死亡した年の1月1日から死亡日までに得た所得を申告する「準確定申告」を行わなくてはいけません。準確定申告は、相続の開始があったことを知った翌日から4ヶ月以内に行う決まりがあるため、その点は注意が必要です。

都内の物件なら原則「すぐ売る必要はなし」

さて、相続人はもう1つ、しなければいけない「大切なこと」があります。それは、受け継いだ物件をそのまま賃貸運用にまわすか、それとも売却するかを決めることです。それを決めるには、何をポイントにして考えればいいのでしょうか。

まず1つ言えるのは、都内の立地が平均以上のワンルームマンションであれば、基本的には持ち続けたほうが合計収入は大きくなりやすい、ということです。現代のワンルームマンションは100年もつともいわれるので、たとえ築30年ほど経っていたとしても、優に20〜30年は問題なく賃貸経営を続けられるでしょう。もし年間80万円の家賃収入を得られるとすれば、20年で1600万円となります。しかもその後も物件という資産は手元に残ります。

一方で物件を売る場合、その場でまとまったお金は得られますが、売ったらそれでおしまいです。築30年で売値がどれくらいになるかは、物件やロケーションによりまちまちですが、1600万円を下回る場合の方が多いのではないでしょうか。

それを前提としつつ、売るか持つかのポイントの1つとなるのが、「入居者がついているかどうか」です。入居者がついていない場合、賃貸運用するには賃貸募集をかけて入居者を見つける手間が発生します。

また相続人が複数人の場合は、毎月の家賃収入を分割する手間などが発生するので、売却して売却益を分配して終わりにした方が効率的かもしれません。それと相続人が高齢の場合、「これから数十年も家賃収入をコツコツ得続けるより、体が元気なうちに売ってまとまったお金を得たい」といった考え方もあるでしょう。

以上をふまえると、逆にこう言うこともできます。「現在入居者が入っており、物件を相続するのは1人で、特に高齢ではないなら、ひとまず急いで売る必要はない」と。

ちなみにワンルームマンションは、ファミリータイプのマンションよりも売却がしやすいと言われます。なぜならワンルームマンションの方がファミリータイプよりも利回りが高くなりやすく単価が安いため、中古物件を購入する買い手に、金融機関からの融資がおりやすいからです。そうした面から見ても、ワンルームは資産運用や相続に向いた商材であることがわかります。

以上、今回は実際に団信が適用になる際に、相続人は何をすればいいかを紹介しました。できることなら「万が一」のことは起こらないに越したことがありませんが、だからこそ物理的にも精神的にも、事前に備えをしておきたいところです。