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不動産投資がうまくいかず、ローンを支払えなくなった時にできること

作成者: NAVIVA運営部|2020年2月25日

“万が一”をシミュレーションしておこう

不動産投資を行うのであれば、シミュレーションしておきたいことが一つあります。それは、物件のローンを払えなくなってしまった場合、どうするかです。

そもそもワンルームマンション投資の場合、賃貸需要の高いワンルームタイプの物件を投資対象としているうえ、万が一空室が出ても収入に穴が空かないよう一括借上契約であることが一般的です。だから本来であれば、ローンが払えなくなることはそうありません。

とはいえ、人生には何が起きるかわかりません。たとえば失職して収入が途絶えてしまうとか、他の投資やギャンブルで大きなお金を失うとか、何か大きなトラブルに巻き込まるとか……。

自分とは縁遠い話だと感じるかもしれませんが、絶対にそうしたことが起きないとも言い切れませんよね。だからこそ問題が起きる前に、正しい判断ができる状態で、きちんとシミュレーションしておくこと大切なんです。そうすることで、もしローンが支払えなくなったら……といった漠然とした不安も解消できるでしょう。

もちろん、今ローンが払えなくて困っている方にとっても、当記事は“即戦力”となる内容になっています。

「競売」コースはなんとしても避けたい

では、実際にローンを支払えない状態になってしまったら、どうすればいいのか。そうなった時、なんとしても避けてもらいたいことがあります。それは、物件を「競売」で処分すること。

自分の意思で物件を売りに出す任意売却と、裁判所によって物件を強制的に売りに出される競売では、売却価格は大きく変わります。一般的に競売での売却価格は、市場価格の6~7割といわれます。場合によっては、市場価格が2000万円の物件が競売で1000万円で売られた、というくらいの価格差も生じます。

だから物件を競売で売るのは、純粋にかなり「損」なんです。そのうえ多くの場合、競売の売り値では残債の支払いがまかないきれず、同時に自己破産することになります。自己破産すると、必然的に他の資産も凍結されることになるでしょう。そうなると、以降は何年もローンが組めなくなり、クレジットカードも作れなくなります。10万円近くもするスマートフォンも分割では購入できなくなるでしょう。また一部には、自己破産すると就けない職業もあります。

もちろん状況によっては、自己破産することが最善の場合もあるでしょう。だから競売→自己破産というコースの全てを否定することはできません。でも不動産投資では、競売&自己破産となる前に、たいていはできることがあるものです。以下ではそれを紹介します。

払えないとわかったら直ちに金融機関へ連絡

ローンが支払えないとわかった時点で、まず必ずやっていただきたいのが、ローンの支払い先である金融機関に連絡することです。「え、一番気まずいところに連絡するの!?」とも思われるかもしれませんが、実はこれが非常に重要なんです。なぜでしょう。

金融機関にとってもっともイヤなのが、物件のオーナーと連絡が取れなくなることです。特にローンの支払いを延滞しているオーナーに連絡が繋がらないとなると、金融機関は「融資の回収が危ういかも?」と色めき立ちます。そうした状況が進み、金融機関が“債務不履行”とみなすことで、少しでも多く債権を回収しようと物件が競売されるわけです。

だからこそローンを延滞していようがいまいが、支払い不能とわかった時点で、まずは金融機関に一報を入れて相談する。そうすることで、金融機関としては残債をできる限り損わずに回収することが優先事項となるので、いきなり「競売」ということにはまずならないでしょう。それどころか、もし物件を任意売却して残債を支払うという話になれば、売却するまでの半年から1年くらいは支払いを猶予してくれることが少なくないようです。ローンの滞納分に関しても、分割払いでOKになるかもしれません。

でも意外とやってしまいがちなのが、「もう少し状況が落ち着いてからきちんと連絡しよう」などと、連絡を先延ばしにしてしまうことです。金融機関から電話や郵便で連絡があっても「今度ちゃんと対応しよう」と放置や無視を繰り返してしまう。でも正直、それは最悪の対応です。そうこうしているうちに、金融機関はいよいよ債務不履行と判断し、物件を競売にかけざるをえない状況になってしまいます。

では金融機関への連絡は、遅くともどれくらいまでにするべきなのでしょう? 目安として覚えていたえだきたいのが、ローン支払いの延滞は1回ならまだしも、2ヶ月連続ではしないこと。つまりは2回連続で延滞する前に、必ず連絡しておきましょうということです。これさえ守れば、競売&自己破産というコースまでいくことはまずないでしょう。

もし任意売却ができれば、それなりにいい値段で売れることもあります。そうして残債を早期返済すれば、不動産投資としてのトータルの収支は、場合によってはプラスになることもあるでしょう。プラスにならないにしても、そこまで大きなマイナスにはならないのではないでしょうか。それをふまえると、任意売却で留めておくのと、競売&自己破産まで進んでしまうのでは、雲泥の差があるんです。

物件を売るよりも前にできること

そもそも物件を任意売却する前にも、やれることはあります。たとえば積立て式の保険や、有価証券などの金融資産を処分し、ローン返済に回すことです。もしローンを支払えないのが一時的なのであれば、そうすることで不動産投資の枠組み自体を維持できます。また、返済するあてが確実にあるのであれば家族や親戚、友人からお金を借り、ローン返済に回すという手もあるでしょう。

ちなみに積立て式の保険や有価証券などの金融資産は、物件を任意売却しても残債が支払いきれない場合の、不足分を埋める役割も担ってくれます。もし債務不履行となり自己破産となったら、どうせ金融資産は差し押さえられるのですから、そうなるくらいなら自ら処分して残債をすっきり整理し再起を図る方がはるかに前向きでしょう。

そうしたやりくりに関しては、ファイナンシャルプランナー=FPに相談するのも一手です。資産形成アドバイザーとしてのFP本来の役割とは若干異なりますが、こういったことを相談できる身近な存在ではあります。無料で相談に乗ってくれるFPもいます。また不動産投資会社にもFPの有資格者がいることが多いので、相談してみるのもいいでしょう。

ローンの支払いが滞る中で金融機関やFP、不動産投資会社に相談するというのは、どうしても気まずさが伴います。だから、ついズルズルと先延ばしにしてしまう……。その気持は痛いほどわかりますが、だからこそそこで「エイヤ」と少し踏ん張り、できることがいろいろあるうちに行動を起こす。その瞬間こそが、未来の行き先を大きく分かつ分水嶺となります。