NAVIVA ナビバ - 不動産投資裏事情

ワンルームマンション投資ではなぜ「フルローン」が組めるのか!?

作成者: NAVIVA運営部|2021年7月29日

ワンルームマンション投資では、フルローンを組むことで、物件を「頭金なし」で買うことが一般的になっています。

とサラッと書いてしまいましたが、実は数千万円もする不動産を頭金なしで買えるのは、なかなか画期的なことなのです。今回は、なぜ投資用ワンルームマンションではそれが可能なのかを、ズバリ紹介します。

「低金利でフルローンが組める」のは実質、投資用ワンルームだけ

まずは「非投資用マンション」との比較をしてみます。ワンルームマンション投資をする際に購入する物件は、多くの場合、投資用に開発された物件です。とはいえ、当然ながら投資用に開発されていない物件で、投資運用することも可能です。その場合、ローンはどうなるでしょう。

実は非投資用マンションで投資運用するために、もしワンルームマンション投資でよくある「1%台後半」くらいまでの低金利でローンを組もうと思ったら、金融機関から物件価格の3~4割程度の頭金を求められることが一般的です。あるいはフルローンを目指すのであれば、金利をだいぶ上げる必要があるでしょう。

では、自分で居住するマイホームと比べたらどうでしょう? マイホームローンであれば、金融機関が規定する融資条件を満たし、返済能力などに問題ないと判断されれば、厳密にはフルローンを組むことは可能です。ただし、やはりそのぶん金利が割高になることが一般的で、かつ頭金を入れずにマイホームを購入すると、返済不能になったり物件が担保割れを起こしたりする可能性が高まります。

どういうことかというと、ワンルームマンション投資の場合、ローンの返済の大部分は実質、「入居者から受け取る家賃」でまかなうことになり、月々の手出しは1~2万円程度で済むことが一般的です。したがってよほどのことが起こらない限り、ローンを返済できなくなることはありません。

対してマイホームの場合、ローン返済の全額を、自分が手出ししなくてはいけません。したがって生活水準が変わったなどの理由でローンが返済できなくなれば、物件を売らなくてはならないというケースも十分に起こり得ます。頭金を入れないと、月々の返済額が大きくなるので、そうした事態がより起こりやすくなるのです。また頭金がないと残債も大きくなるので、たとえ売却しても残債を支払いきれず、手持ち資金を出さなくてはならなくなる可能性も高まります。

そんなことからマイホームを買う際は、頭金を入れておきましょうという流れになっているのが現状です。頭金の額は、物件価格の2~4割程度であることが大半です。

では、ワンルームマンション以外の他の投資商品では、フルローンは組めないのでしょうか? 結論からいえば、フルローンを組んで始められるような投資商品は、投資用ワンルームマンション以外には実質ありません。一棟ものの投資用アパートに、フルローン融資を行う金融機関も一部ではありますが、金利が3%中盤から後半とかなり割高になります。

以上をふまえると、1%台後半までの低金利でフルローンを組める投資用ワンルームマンションという商品は、かなり希少な存在といえます。頭金がなければ、投資を始めるハードルが大きく下がりますし、頭金がないぶん他の投資を並行して行うこともできます。

それにしても、なぜワンルームマンション投資だけが、このように特別なのでしょう?

開発業者はフルローンが組めることを前提にワンルームマンションを建てる

なぜ投資用ワンルームマンションでフルローンを組めるかというと、それはひとえに「投資商品としてのパッケージが確立されているから」に尽きます。

実は投資用ワンルームマンションのディベロッパー(開発業者)は、開発前に提携金融機関に新規マンションの企画を提出し、完成後にはフルローン融資を行ってもらうことについて大筋で承諾を取り付けてから開発を行います。したがって、物件を買うオーナーの社会的属性が基準を満たしてさえいれば、基本的にフルローンが組める立て付けになっているのです。

なぜ金融機関がフルローンを受け入れるかというと、その投資用マンションの投資スキームであれば、債権回収できる可能性が高いとみなすからです。投資用ワンルームマンションは、マンション経営で収益を上げることを目的に作られるので、多くが好立地の場所に建てられます。そして賃貸管理会社や建物管理会社もあらかじめ決まっていて、資金回収計画もきちんと定まっており、入居者付けも速やかに行われることが一般的です。

対して非投資用マンションの場合、まず客付けからオーナーが自ら行わなくてはいけません。それを賃貸管理会社に任せることにしても、その会社を探す必要が出てきます。同様に建物管理会社も探さなくてはいけません。そもそも投資用に開発されているわけではないので、立地や建物の仕様が、マンション経営の観点で見れば甘い可能性もあります。

もちろん不動産投資のリテラシーが高い方であれば、そうした非投資用マンションをあえて選び、自らマンション経営業務にしっかりコミットすることで、高い利回りを得ることもできるでしょう。とはいえ一介のサラリーマンがそこまで行うのは、簡単ではありません。したがって金融機関がどちらの物件を「債権回収できる可能性が高い」とみなすかといえば、当然、投資用ワンルームマンションの方なのです。

「低金利・フルローン」が可能かどうかは、業者選びで決まる

ただし投資用ワンルームマンションであっても、融資づけをする金融機関によっては、物件価格に「4000万円まで」などの上限が設けられ、それを超える物件には融資を行わないケースもあります。同じように物件の賃料の上限が「16万円まで」などと決まっていて、それを超える場合は「将来的に賃料が下がった場合の幅が大きすぎる」ということで、やはり融資を行わない金融機関もあります。

そもそも一部の金融機関では、「フルローン融資は行わず、融資する上限は物件価格の9割まで」などと決めているケースもあります。

そしてぜひとも頭に入れておいていただきたいことが、金融機関に「収益性と比べて物件価格が高すぎる」とみなされてフルローン融資が受けられないケースも、ままあることです。予想される収益性と見比べて物件価格が高ければ、金融機関は「この物件では、債権を全額回収できないかもしれない」と考えるのは当然でしょう。

裏を返せば、フルローン融資が組めるのは、基本的に「物件価格が割高ではない=物件価格と収益性が見合っている」と金融機関にみなされた証しでもあります。そして非常に肝心なのが、そうした物件に出会えるかどうかは、不動産投資会社選びでほぼ決まります。ぜひ不動産投資会社を選ぶ際には、「低金利・フルローン融資を利用できる会社であるかどうか」を確認するようにしましょう。