勤務医がワンルームマンション投資を行う際にぜひ頭に入れておきたいこと

前回記事『なぜ「勤務医」にワンルームマンション投資がぴったりなのか』では、勤務医とワンルームマンション投資の相性の良さを紹介しました。続いてこちらでは、いざ勤務医がワンルームマンション投資を行う際に、ぜひ頭に入れておきたいことを紹介します。

「割高物件」でないかチェックする必要がある

まずは物件を買う前にぜひ行いたいのが、価格が適正かどうかを検討することです。前回記事でも述べたとおり、勤務医は金融機関から見た社会的属性が最上位にあり、フルローン融資を非常に受けやすい立場にあります。

それは裏を返せば、物件の価値がそれほど高くなくても、フルローンで購入できてしまう可能性があるともいえます。

すべての不動産投資会社がそうではありませんが、なかには投資家にとってあまりいい投資商品といえないものを販売する会社もあります。とりわけ多いのは、物件価値に比べて価格が割高な物件でしょう。激務の本業を抱える勤務医は、物件を精査する時間がなかなか取れないことが多く、そうした業者のターゲットになりやすい側面があります。

では、物件価格はどう検討すればいいのでしょう? 有力な方法の1つが、不動産投資会社の担当営業マンに、不動産業務総合支援サイトである「ATBB(アットビービー)」が発行する「新築プロット図」を見せてもらうことです。

少し専門的な話にはなりますが、新築プロット図では、一定条件のもとその周辺エリアの市場を調査したデータを見ることができ、販売価格や坪単価のリアルな相場を調べられます。ただし会員登録をしている不動産会社のみが見られるので、担当営業マンに頼んで見せてもらう必要があります。

そのようにチェックした新築プロット図で、もし検討する物件が相場より割高な場合、販売業者の利益が余計に乗っている可能性があるので注意が必要です。

設定家賃が不当に高いと、長い目でみれば損をする

そして、契約前にぜひ行っていただきたいことが、もう1つあります。それは、「家賃設定額」を確認することです。一括借上げ(サブリース)式の場合、物件を不動産投資会社に貸し出し、それを不動産投資会社が入居者に貸す形になります。そして、たとえ空室や家賃滞納が発生しても、オーナーのもとには不動産投資会社から一括借上げ料=家賃収入が支払われます。オーナーが受け取る一括借上げ料は、入居者が支払う家賃の90%前後であることが一般的です。

したがって、一見すると設定家賃額が高ければ高いほど、オーナーの収入も増えるように思いますが、実は長い目で見ればそうとは決していい切れません。というのも、なかには契約を取りたいがために家賃を相場より高く設定し、利回りをよく見せて販売する業者が少なからずいるからです。もし家賃設定が相場より高い場合、たとえ新築時点では客付けが可能でも、何年か経ったときに、そのままの家賃では入居づけができなくなる可能性が高いとされます。

そうなった場合、途中で設定家賃額が大きく下がり、あわせてオーナーが受け取る一括借上げ料も大幅に目減りする可能性があります。あるいは不動産投資会社から、一括借上げ契約そのものの打ち切りを打診される可能性も高まります。そうした事態を回避するには、はじめの設定家賃が相場に見合ったものであることが、とても重要になります。

そこで契約前にチェックしたいのが、不動産業者用の物件情報交換システム「レインズ」のデータです。レインズでは、特定の条件における平均家賃相場が検索できるので、新築時点での家賃設定が適正であるかを調べられます。レインズに関しても、基本的に不動産会社のみが閲覧できるので、担当営業マンに周辺の家賃相場が知りたい旨を伝えて見せてもらいましょう。

こうして「新築プロット図」および「レインズ」のデータを確認し、あわせて担当営業マンから数字的根拠を説明してもらって納得できた場合に、実際に契約を行うようにすることが大切になります。

新築の方が物件価値が高く、保険効果も高い

また、ワンルームマンション投資のスタイルについても、いくつか頭に入れておきたいことがあります。

まずは新築にするか、中古にするか。ワンルームマンション投資では、新築と中古のどちらでも運用が可能です。ざっくりいえば、新築と中古では以下のような特徴があります。

●新築物件

  • メリット:物件価値が高い。長く運用しやすい。
  • デメリット:物件価格が高い。

●中古物件

  • メリット:物件価格が安い。
  • デメリット:長く運用しにくい。

以上をふまえると、フルローンを組みやすい勤務医であれば、運用年数が短くなりやすい中古をわざわざ買わずとも、長く運用できる新築を買う方が、自身の属性にマッチしているといえそうです。また物件価値が高いということは、団信による生命保険の効果も必然的に高くなります。この点でも、体が資本で保険効果を重視する方が多い勤務医には、新築が合っているといえるでしょう。

アクセスの良い都内か“近郊外”の物件が合いそう

続いては「都内」の物件にするか、「郊外」および「地方」の物件にするかです。最近は都心から離れた場所でも投資用ワンルームマンションが増えているので、どちらが自身のスタイルに合いそうか、大まかにつかんでおきたいところです。それぞれの特徴は、以下になります。

●都内の物件

  • メリット:物件価値が高く、将来の資産価値も目減りしにくいと予想される。
  • デメリット:物件価格が高い。

●郊外および地方の物件

  • メリット:物件価格が安い。
  • デメリット:将来の資産価値が目減りしやすいと予想される。

これをふまえると、与信枠が大きく、高額なローンも組める勤務医であれば、価格は高くとも将来価値が保てそうな都内の好立地の物件がマッチしているといえそうです。

とはいえ最近は八王子、立川、国立、松戸、柏、川口、大宮といった都心へのアクセスが悪くない郊外都市の物件も、以前よりフルローンが組みやすくなっています。駅近など好立地の物件であれば、こうした“近郊外”の物件も1つの選択肢となるでしょう。

どうせやるのなら、複数物件を持たない手はない

ワンルームマンション投資の場合、複数物件を運用する人も少なくありません。では勤務医の場合、複数物件を運用するメリットは大きいのでしょうか、小さいのでしょうか?

結論からいえば、勤務医の場合、基本的には「どうせやるのであれば、複数物件を持たない手はない」となるでしょう。

当然ながら、物件を2件、3件、4件と複数件持てば、収益性も保険効果も2倍、3倍、4倍と増えていきます。要はワンルームマンション投資のうまみを、よりたくさん享受できるわけです。

その反面、不動産経営にかかる手間は、もともとゼロに近いこともあってほとんど変わりません。したがって本業が激務であっても、4〜5件程度のワンルームを運用するのは全く手間にはならないでしょう。

だからこそ、与信枠の大きな勤務医が、物件を1件だけでなく2件、3件、4件と買い増していくのは、投資の観点からは非常に有効な手法といえます。もちろん、月々の支払いを無理なく行える範囲に収めることは大切になります。

専門知識が特に必要ないワンルームマンション投資ではありますが、不動産投資会社や物件には、やはり優劣があります。ぜひ上記の要点を押さえ、勤務医という恵まれた境遇が最大化する形で、ワンルームマンション投資に臨んでいただければと思います。

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