3つのデータで見る「コロナ後のワンルームマンション投資」

はじめに

コロナ禍を経たことで、今後ワンルームマンション投資はどうなるの??

ワンルームマンション投資を検討している方、すでに始めている方、あるいは物件を買い増そうと思っている方にとって、コロナ禍がワンルームマンション投資に与える影響は、非常に気になるところではないでしょうか。

そこで今回は、「経済」「人口」「不動産」の3カテゴリーに関するデータをもとに、「Afterコロナのワンルームマンション投資はどうなるか」を分析します。こうした分析は、データの選び方や見せ方で特定の結論に恣意的に寄せることもできますが、当記事ではできるだけ客観的にデータ選びや分析を行っています。

【1】経済

まず、投資をするうえで頭に入れておきたいことは、経済の動向です。コロナ禍により、日本の経済はどう影響を受けたのでしょうか?

日本の実質GDPを見てみると、コロナ禍がおこった2020年上半期にいったん大きく落ちこんでいますが、その後持ち直し、2021年以降は一進一退の状況にあります。

2019年以前のように数字が右肩上がりに伸びているわけではなく、いわゆる“景気後退期”とはなっていますが、2008年に起きたリーマンショックに比べるとGDPは短期間の落ち込みにとどまっています。そして2022年中には、コロナ禍前の水準に回復すると予想されています。

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注:網掛け期間は内閣府の基準による景気後退期。18年10月以降の景気後退期は暫定。
引用:内閣府|国民経済計算/景気日付基準

日経平均株価の方も、やはり2020年上半期に大きく落ち込みましたが、その後持ち直し、2021年以降はむしろコロナ禍前より大きく値を上げています。巣ごもり生活などの影響で消費が抑えられ、そのぶんのお金が株式などの投資に流れていることが、主な要因に挙げられます。

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引用:世界経済のネタ帳

以上のように、コロナ禍によってGDPも株価も小さくない影響を受けましたが、その後、比較的早期に持ち直しています。そして今後ワクチン接種が進み、経済活動が活発化することで、より正常な状態に近づいていくでしょう。

一方不動産投資をおこなう人のなかには、空室の発生や、本業の収入の大幅な減少により、不動産ローンの返済がままならなくなる人も一部で出ていると思われます。

その点ワンルームマンション投資の場合、一括借上(サブリース)契約により、契約期間内は毎月の手出し金(※)が1万円程度に固定される運用法が一般的なので、空室や本業の減収が発生しても、ローン返済をおこなえなくなる可能性は限定的となります。

※支出(不動産ローン返済額+管理費・修繕積立金)から、収入(家賃)を引いた額

【2】人口

リモートワークの定着や、感染回避の観点により、都心から郊外・地方へ移住が進めば、都心のワンルームマンションのニーズが落ち込む可能性があります。東京の人口動態に関するデータをもとに、そのあたりも検証してみましょう。

コロナ禍がおこるまでは右肩上がりに増えていた東京都の総人口は、コロナ禍で最初の緊急事態宣言が発令されてから現在まで、微減か横ばいの状態にあります。それをふまえると、仕事のリモートワーク化や、都心での感染回避のため、郊外や地方に転出する人がすでに一部で出ていると考えられます。

naviva135_03引用:東京都|東京都の人口(推計)

したがって、今後も感染状況が悪くなれば、東京の人口はある程度減少していくでしょうが、ワクチン接種完了者比率が日々高まっている状況をふまえると、大局的には感染状況が今より悪くなることはあまり考えられません。また企業のなかには、感染状況が落ち着いたときにリモートワークをやめて働き方をもとに戻すところも、少なからずあるでしょう。

そもそも東京への一極集中の流れは数十年も前から続くもので、都市機能の高さや人材の豊富さ、文化・情報面での感度の高さなどに対する信頼性は、根強いものがあります。それがあるからこそ、コロナ禍という未曾有の事態がおこったにもかかわらず、わずかな人口減少で済んでいるともいえます。

以上をふまえると、Afterコロナで東京一極集中の流れが変わるとは正直、ちょっと考えにくいです。今後も東京の人口は増え続けるか、少なくとも大きく減るようなことにはならず、ワンルームマンションに住まう単身者の比率も高い水準を維持し続けるのではないでしょうか。

【3】不動産

ではコロナ禍により、実際に不動産はどんな影響を受けたのでしょう?物件相場の変動は、不動産投資の収益性を大きく左右するだけに、非常に気になるところです。コロナ禍における物件価格の変動を確認しつつ、それが「今後どうなりそうか」を考えてみましょう。

東京圏の不動産(全用途)の平均価格(1㎡あたり)を見てみると、2020年から2021年にかけ、56万1400円→55万1200円と、微減しています。それまでは2013年以来ずっと右肩上がりだっただけに、新型コロナウィルスから少なくない影響を受けていることは明らかでしょう。

ただし不動産を用途別に見てみると、もっとも不動産価格が下がっているのは、「商業地」であることがわかります(2020年:161万7500円→2021年:157万3000円)。これに関しては、まさにコロナショックでオフィス、飲食店、娯楽施設などのテナント需要が大きく下がったことが背景にあるでしょう。

それに対して住宅地は、24万4900円→24万4800円と、ほんのわずかな下げ幅にとどまっています。

naviva135_04 引用:国土交通省|地価・不動産鑑定

次に、中古マンションの価格動向も見てみましょう。不動産投資家にとって中古相場は、保有する物件の資産価値を占ううえで、大きな指標となります。

さてその中古物件相場ですが、なんと首都圏の中古マンションの成約㎡単価は、コロナ禍においても上昇基調にあります。正確にはコロナ禍で㎡単価はいったん落ち込みましたが、その後すぐ持ち直し、2013年以降続いていた“勢いのある右肩上がり”の状態にまた戻っているのです。

 

naviva135_05引用:レインズデータ/首都圏中古マンション・中古戸建住宅長期動向グラフ【2010年7月~2021年6月】

背景には、中古マンションの在庫不足があると考えられます。ここ何年もの間、中古マンションの在庫数(=売りに出される物件数)は大きく変わっていないのに対し、中古市場に目を向ける「買い手」は増えています。そうしたニーズの増大が、価格を押し上げ続けているのではないでしょうか。

そしてコロナ禍を経てもなお、その勢いが継続されたことをふまえると、今後もしばらくはその流れが続くでしょう。

まとめ

このように「経済」「人口」「不動産」のどのデータにも、今後ワンルームマンション投資に決定的なダメージを与えそうな要因は見当たりません。そして感染者数の推移とワクチン接種状況を鑑みると、今後は“通常モード”にいっそう近づいていくと考えるのが自然でしょう。

したがってワンルームマンション投資に関しても、社会の状況が落ち着くまでは買い控えようとか、より状況が悪くなるまえに売却しておこうといったことは、あまり考える必要がなさそうです。ここぞという機会を逃さないよう、ぜひご自身にとってベストなタイミングで行動を起こしていただければと思います。

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