郊外の物件価格が上昇中!?ワンルームマンション投資「都心」・「郊外」問題

ワンルームマンション投資といえば、都心でやるのがセオリーと言われてきました。ところが最近は、郊外でもワンルームマンションの開発が進んでいます。郊外の物件は、将来の資産価値の上昇に大きな期待ができるとも言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。

そこで今回は、ワンルームマンション投資の物件は「都心」と「郊外」のどちらを選ぶべきか、現場目線で検証していきます。

都心の物件は資産性が高いが、価格も割高

都心のワンルームマンションの価格は、ここ10年ほどで上がり続けています。マンションのデベロッパーが土地を仕入れようにも値段が非常に高いので、近年は特にデベロッパー側に資金力が求められるようになっているのが実情です。それもあって今、超大手系の不動産投資会社がワンルームマンションの開発に参入し始めていて、たとえばオープンハウスが大阪のプレサンスをM&Aしたり、大東建託がインバランスをM&Aしたりと業界の再編も進んでいます。

始まり=土地の値段が高いだけに、できあがる物件価格も高くなるのは必然です。それでもきちんと開発ノウハウや業者との繋がりがある老舗デベロッパーであれば、法外な物件価格にはなりにくいですが、ワンルームマンション開発を手掛け始めたばかりの大手系の物件はかなりの割高になることも少なくありません。

たとえば同じ錦糸町の25平米の部屋でも、老舗系なら3000万円で売り出しているのに対し、新規参入系の東証一部上場企業が3500万円で売り出したりしています。

それでも都心の物件は賃料が高く取れて将来的な値下がり幅も小さい=「資産性が高い」と言われ、そのため値段が高くても売れ続けています。マンションを作れば売れて儲かるだけに、土地が高くても大手が参入してくるわけです。とはいえ今後、価格上昇がどこまで続くかはわかりません。

この先も都心のワンルームマンションのニーズが大きく下がることはないでしょうが、上記のような状況があるだけに、当然コストの低い郊外で開発が進んでいくでしょう。そもそも東京はここ何十年も人口が増え続けていて、過密ぶりが極まっているだけに、その周辺に人が流れていくのが自然です。2020年7月~10月にかけて4ヶ月連続で東京の人口が転出超過=人口減を記録するなど、コロナ禍による転出の動きも見られ始めています。

郊外の物件は「伸びしろ」がかなり大きい

郊外であれば、ワンルームマンション投資を始める際の資金面のハードルはかなり下がります。たとえば立川の25平米のワンルームマンションであれば、2300万円程度で買えます。錦糸町とは実に、1千万円ほどの差です。もちろん、そのぶん賃料相場も3~4万円ほど安くなります。

こうした郊外物件の魅力はなんといっても、将来に向けて大きな“伸びしろ”があることです。もし錦糸町であれば既に開発はかなり進んでおり、いま賃料10万円の物件が、10年後に15万円になるようなことはちょっと考えられません。対して立川や松戸であれば、今後開発が大きく進んで街並みがガラリと変わり、賃料10万円が10年で15万円に上がることもあり得なくありません。

そのように、今後資産価値が上がるかもしれないエリアの物件を安い時期に買えるのが、郊外ワンルームマンション投資の最大の魅力と言えます。実際に立川は10年前に比べると、物件価格が400〜500万円程度上がり、賃料相場も1万円ほど高くなっています。したがって当時物件を買った人は、今売れば収益が出るケースが少なくありません。

一方、その物件の価格や賃料は築年数が増えるほど下がっていくものですが、郊外の物件はその下げ幅が都心より大きくなる可能性が高いです。したがって買う前に不動産サイトなどで築30年や40年の物件の賃料を確認し、経年でどれくらい価値が下がるものなのかをつかんでおきたいところです。とはいえ今後エリア自体の価値が上がれば、その試算以上に物件価値が下がることはまずないでしょう。

またひとくちに郊外といっても、都心までのアクセスの良さで賃貸ニーズは大きく変わってきます。たとえば成田の物件ではさすがに都心には通えないので賃貸ニーズには疑問符が付きますが、立川を含めた西東京界隈や松戸、柏、船橋・稲毛界隈であれば、電車の各線で都心と繋がっており、それなりに高い賃貸ニーズが見込めます。狙うとしたら、そうしたエリアが選択肢となるでしょう。

投資スタンス」によって答えは変わる

以上をふまえ、結局ワンルームマンション投資をする場合、都心と郊外のどちらを選べばいいのでしょう?

まず一つの基準となるのが、ご自身の与信枠です。もし有名企業にお勤めなどでステータス性が高く、都心の3000万円以上・4000万円以上の物件でも融資が下りるようであれば都心でもいいでしょう。しかし、それが難しそうであれば必然的に郊外の安めの物件が選択肢となります。またマイホームの購入を検討していて、都心に投資用ワンルームマンションを買うと与信枠が足りなくなってしまう場合も、郊外の物件が選択肢となります。

では与信枠が充分にある場合は、どう選べばいいのでしょうか。その場合、「投資に対するスタンス」が決め手となってきます。

たとえば、物件1軒の投資でそれなりに揺るぎない資産を築きたいのであれば、物件価格が高く、築ける資産も大きい都心の物件を選ぶのがベストです。一方で、始めやすい価格で始めて、手軽に資産を築きたい人や、確実性は下がっても将来的に大化けするかもしれない夢を持ちたい人であれば、郊外がファーストチョイスとなります。

またワンルームマンション投資は2棟・3棟と買い増していくのも有効な手法ですが、その場合にも郊外の物件を選択肢に入れておくと、ローンを組みやすくなります。また、郊外と都心の両方に物件を持っていれば、リスクヘッジともなるでしょう。

ちなみに郊外の物件を選ぶ際は、よりリスクを減らすために、1つやっておきたいことがあります。たとえば立川の物件なら、ここ20年くらいの「立川駅の利用者数」「周辺の土地価格」「マンション供給量」「単身者数」などの推移を確認することです。それらが総じて右肩上がりになっていれば将来の価値上昇に期待が持てますし、横ばいや右肩下がりになっているようなら、リスクが高いと考えられます。

データを自分で揃えるのが難しければ、物件の担当営業マンに頼んで出してもらうのがいいでしょう。そうしたひと手間が、投資のリスクを減らすだけでなく、物件購入後の安心感も高めてくれます。

「都心」か「郊外」か。どちらがいいとひとことで言いきれるものではありませんが、ぜひ今回の視点を頭に入れ、物件選びに臨んでいただければと思います。

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