サンフランシスコの不動産事情を現地視察したらとても興味深かった話〜NAVIVA編集部が行ってきた〜

アメリカの中古不動産を購入し、それを賃貸経営にまわす。そんないわゆる“アメリカ不動産投資”が、日本の一部の不動産投資会社で勧められています。なぜ、あえてアメリカの不動産で投資を行うのでしょう??

そこでNAVIVA編集部は、アメリカの中でも特に今、不動産事情が“もの凄い”ことになっているサンフランシスコを視察。現地のリアルな不動産事情をレポートします。

サンフランシスコの不動産価格が凄まじかった

サンフランシスコに行ってまず驚いたのが、不動産の価格が恐ろしく高いことです。賃料でいうと、築50年の50〜60平米・1LDKのマンションが、40万円くらいから借りられるといった相場感でした。それを買おうとなると、1億円以上はかかります。感覚的には、日本でトップクラスに不動産価格が高い港区より2〜3倍は高いイメージです。

なぜこんなに高いかということ、サンフランシスコ周辺にはご存知“GAFA”をはじめ名だたるテック企業が集結し、不動産価格が軒並み高騰しているからです。30年前の価格は、全くこんな水準ではありませんでした。

だから古くから住んでいた住民の中には、家賃が払えなくなって他の場所へ移る人や、賃料を上げたいオーナー側から追い出しにかけられる人も少なくないようです。住める家がなく、路上でトレーラーハウスやキャンピングカーで暮らす人もいるありさまです。

ただ、不動産価格の上昇はサンフランシスコに限った話ではなく、実は全米レベルで起こっていることです。アメリカの過去35年の不動産価格上昇率は、実に約3.1倍。背景には人口の増大や、経済成長による物価上昇などが挙げられますが、アメリカでは家を建てることに対して日本よりかなり厳しい規制が設けられていて、物件の供給が不足しやすいことも要因のようです。

ちなみに物価の上昇に関しても、サンフランシスコは凄まじいものがありました。たとえばラーメン1杯が優に2000円以上したり、ちょっといいレストランにいくと普通に1人あたり2〜3万円かかったりします。一人暮らしするのに最低でも760万円の年収が必要だとか、4人家族で世帯年収が1300万円に満たない層は貧困層にあたるという試算もあるほどです。

日本とは中古物件に対する考え方が全く違う

そしてもう一つ興味深かったのが、中古物件に対する考え方が日本とは全く違うことです。サンフランシスコでは、真新しい建物よりも築50年以上は経ってるような物件が主流です。築100年の建物も珍しくありません。

日本では築50年という時点でけっこうな築古物件という感じで、築100年ともなるとそうそう目にかかれません。もはや歴史的建造物といった扱いですよね。でもサンフランシスコでは、そういう古い物件であってもきっちりリノベーションし、普通に使っていました。

日本より地震が少ないというのはあるでしょうが、そこに見受けられたのはリノベーションの技術と美意識の高さです。たとえ100年と経った建物であっても、中は非常に美しくスタイリッシュに改築されており、入居者はなんの違和感もなく気持ち良さそうに使っていました。そこには「古いもの=マイナス」ではなく「古いものを大切に使い続ける=かっこいい、愛着が増す」といった価値観や文化が根付いています。

そしてこうした中古物件への向き合い方も決してサンフランシスコに限ったことではなく、基本的には全米共通の価値観のようです。それを示すように、アメリカの住宅流通量に占める中古住宅の割合は、実に82%にのぼります。新築住宅は、たったの18%なんです(2017年時点)。対して日本の場合、住宅流通量の86%が新築住宅で、中古住宅はわずかに14%(2013年時点)。割合が全く逆ですね。

これは、前述のようにアメリカでは規制が厳しくて新築が建てにくいことも大きく作用しているでしょうが、中古物件を長く使い続けるというアメリカの文化を表す数字でもあります。

日本も近い将来、物件に100年住むようになる?

冒頭で述べたアメリカ不動産投資は、まさにこうしたアメリカの住宅事情をふまえてのビジネスモデルなのでしょう。年月を経ると建物の価値が下がるという概念がなく、国全体の物件価格も上がっているため、価値が将来大きく上がることが見込める。加えて物価の上昇や人口の増大で、家賃が上がっていくことも期待できる。なんとアメリカでは入居者との契約更新の際は、賃料を上げるのが一般的だといいます。

つまりは売却益というキャピタルゲインも、家賃収入というインカムゲインもばっちり狙えるというわけです。まあサンフランシスコの場合は不動産価格が1億円を超えてきたりするので、一般的なサラリーマンにはなかなか難しいものがありますが、アメリカの不動産事情そのものは興味深いものがあります。

日本でも最近は、古い建物をスタイリッシュにリノベーションして住むという価値観が根付き始めています。今後、そうした文化がより醸成され、リノベーション技術も高まれば、アメリカのように建物を100年と使い続ける時代がくるかもしれません。

そうなれば、不動産投資の価値もだいぶ変わってきます。たとえば人気のワンルームマンション投資なら、現状では将来の売却益を狙うのではなく、毎月の家賃収入をコツコツ積み上げて資産形成するというビジネスモデルです。それでも充分に価値はありますが、物件価格自体は年月を経るごとに下がっていきます。

それが中古物件に対する価値観が変わり、景気自体も底上げされていけば、アメリカのようにインカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える、よりうまみの大きなビジネスモデルとなるわけです。今後、日本もそういう方向に向かうのではないかという気もします。

なのでこれからワンルームマンション投資を始めようという方は、これまで通りインカムゲインはもちろんのこと、キャピタルゲインもありえるというのを念頭に置いて投資を検討するのもいいのではないでしょうか。

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NAVIVA運営部

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