ワンルーム投資で「非ブランドマンション」を選ぶと収益性が大きく下がる!?

投資用のワンルームマンションには、ブランドマンションと非ブランドマンションの2種類があります。ワンルームマンション投資を行う際は、どちらを選ぶのがいいのでしょう? 実は非ブランドマンションを選ぶと、生涯で得られる運用益が、ブランドマンションに比べてかなり小さくなる可能性もあります。いったいどういうことなのか、以下でご説明していきます。

非ブランドマンションには反社が入居しやすい?

ここでいうブランドマンションとは、同じディベロッパーがある程度決まった規格で手掛けるマンションシリーズのことを指します。建物名に共通のブランド名が付けられているのが特徴で、非常に有名なところだとライオンズマンションなどがあります。

一方、ここでいう非ブランドマンションとは、単独で建てられた、シリーズものではないマンションを指します。ディベロッパーが1棟あるいは少棟数だけ開発したものや、個別規格で開発したマンションなどのことですね。投資用ワンルームマンションの世界では、ブランドマンションの方が数的には多いのですが、非ブランドマンションも少なからず存在します。

ではワンルームマンション投資をするうえで、両者にはどんな違いがあるのでしょう?

違い①_管理体制

まずブランドマンションの特徴に挙げられるのが、管理が行き届きやすいことです。

具体的には、たとえば反社会的勢力などが入居する可能性が低いことが挙げられます。入居者づけをするのは賃貸管理会社ですが、最終的にはすべての入居者を建物管理会社がチェックします。ブランドマンションはシリーズ全体を1つの建物管理会社が管理するケースが一般的で、ノウハウが豊富かつブランド価値を損ねたくないために、一定水準以上の管理が保たれやすい傾向があります。

またブランドマンションの場合、賃貸管理会社もいいかげんな会社が入ることが少ないため、部屋の設備の故障対応などがずさんになることはあまりないでしょう。入居者への対応のよしあしは、長い目で見れば入居率に響きます。

一方、非ブランドマンションの場合、建物管理をあまり専門性の高くない会社に委託するケースが見受けられます。したがって、すべてのケースがそうではないでしょうが、入居者の審査や入居者対応は甘くなりがちです。したがって、場合によっては反社会的勢力が入居し、マンションの資産価値が大きく低下するリスクも、ブランドマンションに比べると大きくなります。

違い②_改修にかかる費用

マンションを維持するには、建物や設備の維持・改修費用がかかります。ブランドマンションの場合、スケールメリットによってその費用を抑えやすい点も、大きな特徴となります。

たとえばエアコンの修理1つをとっても、大規模なブランドマンションであれば、ほぼ毎日のようにどこかの部屋でエアコンの修理が行われているでしょう。当然、修理業務の規模が大きくなれば、修理業者へ支払う費用を低く抑えやすくなります。

そうしたスケールメリットが給湯器や浴室乾燥機といった他のすべての室内設備に、さらにいえば外壁や建物設備といった建物の改修にも同じように及んでくるわけです。もちろん、入居者の入れ替え時に行う室内クリーニングなども同様です。

そしてもう1つ非常に大きいのが、ブランドマンションの方が、修繕積立金が抑えやすいという点です。

マンションオーナーは、将来の建物の修繕に備えて数千円から数万円の修繕積立金を毎月支払う必要がありますが、ブランドマンションは開発力と資金力のあるディベロッパーが作ることが多いため、マンション1棟あたりの戸数が平均的に高くなります。そのため、1棟全体の修繕積立金も集まりやすい仕組みになっています。加えて前述のような、改修費にスケールメリットが働くため、修繕積立金が高くなりにくいのです。

対して非ブランドマンションは、資金規模の小ささなどからマンション1棟の戸数が平均的に少なく、修繕積立金が集まりにくい体質になっています。かつ改修のノウハウが高くなかったり、スケールメリットも働かなかったりするので、ブランドマンションに比べれば当然、修繕積立金は高くなりがちです。たとえ物件購入時は修繕積立金が低く抑えられていても、10年後や15年後に大幅に値上げされる可能性が高いのです。

違い③_売るときの価格

さらにもう1点、ブランドマンションには、「売りやすい」というメリットもあります。中古マンションであっても、多くの人が金融機関でローンを組んで購入するので、いくらで売れるかは、実質的に銀行がいくらまで融資するかで決まります。

ブランドマンションは、金融機関にとっては「これまで何部屋も見てきた(融資づけしてきた)から」という安心感・信頼性があります。少なくとも建物の仕様がいい加減だったり管理が甘かったりで、資産価値が大きく損なわれる可能性は低いだろうととらえることが多いはずです。

対して非ブランドマンションの場合、そうした安心感・信頼性の面では劣ります。加えて前述のように、修繕積立金も高くなりやすい。金融機関の物件評価では、修繕積立金も含めた実質利回りが大きく関わってくるので、その点でもマイナスです。

以上のことから非ブランドマンションは融資がつきづらく、ブランドマンションより売りにくいといえます。したがって、売るには想定よりだいぶ値を下げなければいけないケースも、非ブランドマンションでは起こりやすいでしょう。

運用益が1000万円近く変わる可能性も

では、実際にブランドマンションと非ブランドマンションでは、収益性にどのくらい差が出るものでしょうか? 図面では一見同じように見えても、トータルの収益額は大きく変わってくるが可能性があります。

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たとえば上記の2つ物件のうち、上は非ブランドマンションで、下はブランドマンションになります。一見どちらも同じような条件なので、もし投資用にどちらか一方を買うとなったら、それなりに迷うのではないでしょうか。コンクリート打ちっぱなしのデザインにひかれて上の物件を選ぶ人もいるかと思います。

では、実際の収益性はどうなのか。ここからはあくまでもシミュレーションになりますが、まずは修繕積立金について考えてみます。上は戸数が10戸ほどの非ブランドマンション、下は戸数がそれなりにあるブランドマンションなので、今は修繕積立金が同じくらいの額であっても、10年後には上の方が1万円くらい高くなる可能性があります。したがって、もし40年運用したら、それだけで両者には300~400万円の差が生まれます。

さらには、40年後に物件を売却すると仮定したとき、前述のように販売価格は実質利回りに大きく影響されるので、修繕積立金の高い上の物件は、下の物件より500~1000万円程度安い値段でしか売れない可能性があります。

結果、推計にはなりますが、両者では、トータルの運用益で1000万円前後もの差が出ると予想されるのです。

もちろん、もし物件価格や賃料の相場をきちんとつかめたり、それらの将来の推移をシミュレーションできたりする目利きがあれば、より収益性の高い“掘り出しもの物件”を非ブランドマンションから見つけられるかもしれません。でも、それをできる方は、かなり限られるでしょう。

以上をふまえると、ワンルームマンション投資を堅実に行おうと思うなら、わざわざ非ブランドマンションを買わずとも、ブランドマンションを買っておいて間違いないといえます。不動産投資会社を選ぶ際は、ブランドマンションを扱っているかどうかを、まず確認してみるのが賢明かもしれません。

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