ワンルーム投資における「ペット可物件」の現状と、メリット・デメリット

ワンルームマンション投資を検討する方からの質問で、意外と多いのが、「ペット可物件で部屋に損傷が出たときは、誰の負担になるのか」というものです。いざ物件を持つとなると、こうした現実的な疑問や心配が、ふと湧いてくるのでしょうね。

そこで今回は上記の質問の答えあわせ。ワンルームマンション投資における「ペット可物件」の現状と、それが投資にもたらすメリット・デメリットをお伝えします。

投資物件は「ペット可」が標準になりつつある

まず、最近の新築投資用ワンルームマンションは、「ペット可物件」が以前よりかなり多くなっています。ワンルームだけでなく、ファミリータイプの投資用マンションでも、ペット可物件は増えています。反対に築年数が20年や30年を超える物件だと、「ペット不可物件」がグッと多くなる印象です。

このように「ペット可」が標準になりつつある投資用マンションですが、それにあわせてマンションのペット用設備も充実してきています。たとえば最近は、エレベーター内に飼い主用のボタンがついていて、それを押すと空調がペットモードとなり、臭いや毛を強力に吸い込むという設備をよく見ます。またマンションの入口近くに、ペットの足洗い場を設ける投資用マンションも少なくありません。

室内を見ても、ペットが誤って感電しないよう、コンセントを高い位置に設置するケースが見られます。また建築技術の進化とともに遮音性も高まっていて、ペットの鳴き声が他の部屋に漏れにくくなっています。

ちなみにワンルームマンションの場合、飼えるペットはある程度の制約が設けられているのが一般的です。たとえば「抱きかかえられる程度の犬か猫で、体長60cm・高さ40cm以内の個体、及び観賞用の小鳥、魚等、ごく一般的に室内飼育に適するもの」といったルールですね。

また頭数に関しても、ワンルームタイプであれば、1住戸・1匹と決まっていることが多いです。それが1LDKタイプとなると、2匹までOKになることもあります。もちろん魚や鳥は、基本的にこうした頭数ルールには当てはまりません。それと盲導犬、誘導犬、介護犬に関しては、上記のようなルールとは関係なく飼えることが多いです。

ペットによる部屋の損傷の回復費用は「入居者もち」

ただペットを飼うとなると、やはり壁や床に引っかき傷がついたり、臭いが染みついたりしやすくなります。そこで気になるのが、冒頭で紹介した「ペットによる部屋の損傷の原状回復費用は、入居者と貸主のどちらが負担するのか?」問題です。果たして、どちらなのでしょう?

現状の賃貸物件のルールでは、貸主が原状回復費用を負担するのは「経年変化」や「通常損耗」によって起こった損傷です。ざっくりいえば、通常の使用で発生した損傷に関しては、基本的に貸主が負担するわけです。

一方でそれ以外が原因の損傷、すなわち入居者の故意や過失により発生した損耗やキズに関しては、入居者が負担する決まりとなっています。そしてペットによる部屋の損傷は、こちらに当てはまります。つまりペットによる部屋の損傷の原状回復費用は、「入居者もち」となるのです。

とはいえワンルームで飼えるペットの規模であれば、原状回復といっても、一部のクロスの張替えと消毒くらいで済むことが多いでしょう。したがって入居者が負担するといっても、敷金で収まる範囲であることが一般的です。

そして“そもそも”の話になりますが、もしワンルームマンション投資でよくある「一括借上げ」のスタイルでオーナーが運用している場合、入居者に直接部屋を貸すのはオーナーではなく不動産投資会社になるので、原状回復費用をオーナーが負担すること自体ありません。

ペット可物件の方が入居率や賃料が高くなりやすい

以上をふまえ、ワンルームマンション投資におけるペット可物件の、メリットとデメリットを挙げてみましょう。

まずメリットとして挙げられるのが、「入居率が高くなりやすいこと」です。またペット可という付加価値がつくことで、「家賃を高めに取れる」ケースもあるでしょう。さらにはペット可の物件は、入居者の入居年数が、ペット不可の物件より長くなりやすいとも言われます。

こうした傾向の背景には、年々ペットに対するニーズが高まっていることと、それに対してペット可物件の数が、中古物件もあわせた市場全体ではまだまだ足りていない現状があります。

そしてこの先ペットに対するニーズは、一層高まっていくと考えるのが普通でしょう。生涯独身でいる人や、子供をもたない夫婦、単身で暮らす高齢者などがますます増えていき、それに比例してペットを飼う人も増えるだろうと考えられるからです。

ちなみにペット可物件は、介護犬や盲導犬、誘導犬などと暮らす方々からも、選ばれやすくなります。

そうしたことをふまえると、現在も、また将来的にも、やはりペット可物件の方が、入居率や賃料が高くなりやすいことは明らかでしょう。投資用マンションでペット可の物件が増えているのも、それが大きな要因であると考えられます。

むしろ「ペット不可」であること自体がマイナス要因

では、反対にペット可物件の「デメリット」は何でしょう?

正直、特には思いあたりませんが、あえて挙げるとすれば、ペット可物件に住みたがらない人も一定数いる、ということです。マンションの共用スペースでペットと出くわしたり、部屋越しに鳴き声が聞こえたりするのがいやなので、住居はあえてペット不可の物件を選ぶというような人ですね。

とはいっても、最近のペット可の物件は設備もだいぶ整っているので、絶対にペット可の物件はいやという人も限られるのではないでしょうか。したがって、ペット可ということで入居率が目に見えて低くなるようなことは、あまり考えられません。

あとはペット用の設備を設けることで、物件価格が多少高くなるというのも、1つのデメリットかもしれません。ただ、そのぶん賃料を高めに取れ、入居率も上げられる可能性が高いことを考えると、これもさしたるデメリットにはならないのではないでしょうか。

そもそも前述のように最近はペット可であることが投資用マンションのスタンダードになりつつあるので、これから新築マンションを買って投資を始める人には、選択の余地自体がそれほどないかもしれません。もちろん、あえてペット不可物件を見つけ買うこともできるでしょうが、投資としてのメリットはあまりないと思います。

以上をまとめると、「ワンルームマンション投資において『ペット可物件』はマイナスどころかメリットの方が断然多く、逆にペット不可であること自体が“マイナス要因”になる」となります。物件を選ぶ際は、その観点も念頭に入れてお選びください。

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