ワンルーム投資の物件チェックは「現地調査」と「オンライン調査」どっちが正解?

現地調査せずに購入する人が多数派

物件を購入する前に、部屋の仕様や周辺環境をチェックする「物件調査」。最近は、それをWeb上で行う「オンライン調査」が浸透しつつあります。

たとえば物件の周辺環境に関しては、グーグルマップのストリートビューを利用することで、おおよそのことは確認できます。また部屋の内覧に関しても、VRで行える物件が普通になってきました。物件パンフレットに付いたQRコードを読み取ることで、その場ですぐに部屋の内部をVR体験できる便利な機能もおなじみになりつつあります。このようにオンライン調査の技術は日々進化し、利用しやすくなっています。

そもそも投資用ワンルームマンションは、不動産投資会社が一定以上の賃貸ニーズが見込めることを前提に企画・開発しているものです。したがって立地や部屋の仕様が良くなくて賃貸ニーズが大きく見劣りするようなことは基本的になく、部屋の規格や雰囲気も、同じブランドのマンションであればほぼ統一されています。

それをふまえると、わざわざ現地に出向いて調査せずとも、オンライン調査で充分ことたりるようにも思えます。実際、ワンルームマンション投資の現場では、物件を現地で見ることなく買う人の方が多数派だったりします。

とはいいつつも、実は「物件は一度現地で見ておくに越したことはない」というのが、私の正直な所感です。その理由を、以下で説明していきます。

“現地調査でしか見えない事情”がある

理由の一つは、実際に現地に出向くと、むしろ「ムダな時間を省ける」ことです。

駅から物件までの道のりを歩いてみて「たしかに徒歩●分くらいで、これなら楽に歩けるな」とか「周辺にコンビニやスーパーがちゃんとあって、暮らしやすそうだ」「部屋は写真の通りきれいで、これなら住みたい人が多そうだ」等々、実際に見て確認することで「これであれば問題なく賃貸経営を行えそう」という感覚をつかむことができます。

まさしく百聞は一見にしかずではないですが、こうして現地調査によって物件そのものを「体感」できるため、結果的にその後の迷う時間や会社への問い合わせ、営業マンとの打ち合わせなどの労力を減らすことができるのです。

また、実際に物件を見ておくと「これなら30年経ったところで、賃貸需要や資産価値が大きく下がることはなさそうだな」といった、先々の運用イメージも持ちやすくなります。ワンルームマンション投資は基本的に30年、40年と長く持つことで資産を堅実に積み上げていくビジネスモデルだけに、はじめにイメージをきちんとつかんでおくか否かで、その後の安心感や運用モチベーションも違ってくるのではないでしょうか。

もちろん現地調査には、「リスク回避」の意味合いもあります。いざ駅からの道のりを歩いて周辺環境を見ると、自然といろいろな疑問がわいてきます。たとえば「駅から実際に歩いてみたら、少し遠く感じた。これで本当に入居者が集まるのか」とか「駅前が閑散としており、買い物や食事は不便ではないのか」などです。

そうした疑問は、担当者にその場で聞くことができます。そして納得できる説明が得られれば、疑問はそこですぐに解消されます。たとえば「駅からの距離を鑑みて、マンションの駐輪場は無料で貸し出していています。また駅前にも1ヶ月1000円ほどで借りられる駐輪場があり、空きも充分にあるので、自転車をフルに活用していただけます」といったものです。逆に納得できる説明がなければ、その物件はやめておくという選択もとれます。

実際に歩いてみると、図面ではわからない事情が見えることが多いものです。たとえば「大きな歩道橋を渡る必要がある」とか「踏切で何分も待たされる」「アップダウンが激しい」「駅までの道のりのほとんどが、車の通行が多くて歩道のない道路で、歩きづらい」などです。また、資料に書かれた徒歩分数と実際の徒歩分数に相違がある場合もあるかもしれません。そうしたリスク要因を、現地調査であぶり出すことができるのです。

中古なら“運用状態”もチェック可能

また中古物件であれば、現地調査によって、その建物の運用状態もある程度チェックできます。

たとえば建物の集合ポストを見れば、差込口にテープが貼ってある部屋=空室となっている部屋がどのくらいあるかが分かります。また外からベランダの洗濯物を見ることで、どんな世帯が住んでいるかもある程度把握できるでしょう。共用部の掃除が行き届いているか、集合ポスト脇のゴミ箱にゴミが溜まったままでないか、などを見ることで、管理が行き届いている物件かどうかも分かります。

こうした工程を経ることで、稼働率が悪かったり物件管理がきちんと行われていかなったりする“ハズレ物件”を回避することができます。

ちなみに中古のワンルームマンション投資を購入する場合、入居者が入った状態で物件を売買する「オーナーチェンジ」となることが多いです。その場合、部屋の内部を現地調査するのは難しいので、前回募集時の写真などを見て確認することになります。もちろん、建物や周辺環境のチェックは普通に行えます。

以上をまとめると、ワンルームマンション投資の物件調査は、売りに出されている時点で多くは高い賃貸ニーズが得られる立地や仕様となっているのでそれほど神経質になる必要はありませんが、現地調査でしかつかめない情報もあるので、「可能であれば現地で調査しておくのが良い」という結論になります。

遠方に在住していたり、時間がどうしても作れないといった事情があったりする場合は、現地調査なしで購入するのもありでしょうが、それでもグーグルマップによる調査くらいはぜひともしておきたいところです。その際は駅から物件の道のりとともに、物件の100~200メートル周辺にどんなものがあるかも、ザッとチェックするようにしましょう。

投資用マンションの購入は、大きな買い物となります。ぜひ後悔のない形で調査・検討していただければと思います。

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